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論理

経済を見る眼 伊丹敬之著再読了

ポイント引用
1.・・・まず神の隠す手がプロジェクトの構想を作る人たちの目から、その後に起きる想定外の困難を隠してくれる。
だから、人間はその企てに乗り出す。そして、動き始めた後で、とんでもない困難に遭遇する。しかし神の隠す手は、
人間の問題解決能力をも隠している。その隠された能力を人々が発見して、結果として困難を乗り越えて企ては成就する。
成就の形は、当初の構想とは案外違うことが多い。・・・
2.・・・人本主義はヒトが経済活動のもっとも本源的かつ希少な資源であることを強調し、その資源の提供者たちの
ネットワークのあり方に企業システムの編成のあり方の中心的原理を求めようとする考え方である。・・・
3.・・・そのストーリーを現実的のものとできるための最大の課題は、日本の産業の人々、経営者と働く人々の両方の、
心理的エネルギーだろうと私は思う。障害を乗り越えてでも、日本の将来のために努力をし、リスクをとろうとする、
心理的エネルギーである。・・・
4.・・・経済を見る眼を養うためのもっとも素朴なポイントは、人間の行動やその動機、また多くの人間の間の相互作用について、
きちんと考えるクセをもつことである。また、経済統計のデータを見る際には、その背後にある人間の行動を
想像するクセをもたあなければならない。・・・
5.・・・人間の行動は、大なり小なりどこかジャンプがあるということ、アニマルスピリッツであえて行動に出る部分があること、
それを心に留めないと正確に経済を見ることはできそうもない。・・・
6.・・・カネを必要として、カネのことを気にする経済的存在・物理的存在としてのヒト。情報を感知し、
学習し、他人に情報を伝える、情報的存在としてのヒト。そして、感情をもち、他人の動きや言葉に感情的に反応し合う、
心理的存在としてのヒト。・・・

最近本書の著者である伊丹氏、過去何度か本ブログで取り上げた三枝匡氏の著書を読むことが多いです。
伊丹氏は学者、三枝氏は経営者と立場は違いますが、両氏に共通する点は、経営の基本は「人間が中心」と言うことです。
両氏は著書でそれを論理的に述べています。私がその論理を、私自身の日常に活かすには
まずは当たり前のことですが論理の本質をしっかりと理解しなければなりません。その後私の日常に落とし込むためには
その論理と私の日常との整合性を考え、工夫しなければなりません。両氏は安易なマニュアル本を記しているのではありません。
また私自身の能力、成長段階により、実践できる論理の幅も違ってきます。