社長ブログ President Blog

産みの苦しみ

成長する過程で現在の環境を捨てなければならないこともあります。
現在の環境を捨てるとなると、均衡を保っている状況との大きな軋轢が
生じるでしょう。この軋轢に躊躇していると前には進めません。
また現状に満足していると成長もありません。
別な表現をすると「現在との決別」とも言えるでしょう。
決別する現在の環境に対して、感謝の気持ちも持たなければなりません。

「一所懸命に漕(こ)いできた〜“歴史探偵”半藤一利の遺言〜」
先日お亡くなりになられた半藤一利さんの追悼番組を見ました。
半藤さんは私が敬愛する作家のひとりであり、
彼の多くの著書で日本の近現代史を学びました。
彼の歴史観にはイデオロギー的なものがなく、
実際に当事者に取材してから記述されていました。
「歴史の当事者は嘘をつく」をモットーとされていますが、
まさにその通りだと考えます。当事者は自分の都合の悪いことは
語りたくないし、捻じ曲げたいと考えることは当然でしょう。
彼が最晩年に出された絵本に以下に記述があります。
「戦争だけは 絶対に はじめてはいけない」
この思いが彼の日本の近現代史への探求心の原動力だったのではと
勝手に考えてしまいます。
半藤一利さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。