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資本主義の限界

さらば、資本主義 佐伯啓思著 読了

著者は資本主義を「資本主義とは成長を目指すシステムだ」と定義しています。

資本主義の3つのプロセス
1.16世紀から19世紀にかけては、欧米人から見て地理上の「未知の領域」であるアジア、アフリカが発見され
西欧文明との落差が西欧諸国に利潤もたらした。
2.20世紀に入って出現した産業主義により、フロンティアを自国の外に求めるのではなく、
イノベーションによって新たな技術、商品、市場(耐久消費財)を創り出し、自国の中に求めるようになった。
3.1990年代以降、ITから派生した金融、情報機器、生命科学、遺伝子科学等の分野が新たなフロンティアとして持ち上がるが
新たなフロンティアでの行動が人間そのものを破壊するようになった。

資本主義の限界を取り上げている点では、以前本ブログで取り上げた資本主義の終焉と歴史の危機水野和夫著に通じるものがあります。
私自身も納得できる論理展開ですが、次にどのような社会が来るのか、両著共に明示していません。それがわかれば、苦労はしませんよね。(笑)
ただ資本主義の限界が来ていることは理解できます。