社長ブログ President Blog

小倉さん

土曜の午前中のルーティンの水泳、サウナ、ウオーキングで汗を流しました。

水泳は非常に調子が良かったです。肩甲骨周辺の筋肉を意識することにより腕の可動域が拡がり推進力が増し、
また体の縦の体幹を意識することでも推進力が増します。

ヤマト運輸元社長の故小倉昌男さんは、私が敬愛している先人の一人です。宅急便をゼロから作り、現在では社会インフラとして
必要不可欠なものとなっています。ないものを創り出し、需要者の立場にたってそれを進化させ続けました。
またビジネスだけではなく、晩年は障碍者の方の自立を促す仕組み作りに奔走されました。

小倉昌男 成長と進化を続けた論理的ストラテジスト 沼上幹著

以下印象に残った箇所を引用。

1.外に向かっては利潤追求、内に向かっては、税金を支払い、社会に貢献しているという実感を提供するという考え方である。
2.経営者にとって一番必要な条件は、論理的に考える力を持っていることである。なぜなら経営は論理の積み重ねだからである。
3.目に見えるものではなく、見えないものを見付け、それを見えるようにするのが、商売だと思う。
4.本来果たすべき役割をしっかりと果していないことに対する反発。
5.日本には健常者の労働市場と障碍者の労働市場の二つが分離存在されている。
6.経営とは「福祉経済圏」を脱出し、資本主義市場経済へと参画するためのパスポートだったのである。
7.人間にとって、自分のためではなく、人の役に立つことが幸せの源泉であり、人のために何かをしてあげられるようになることが幸せなのだ。
8.まずは小倉の戦略的思考である。徹底的な思考を繰り返し、詳細にも注目するが、ダイナミックな変化を視野に収めて的確に焦点を
絞り込んでいた。
9.最後の最後のところで、人がどのような知識を持ち、どのような信念と意図にもとづいて、どのように行為を選択するかという議論が入らないと、
社会現象を説明することができないのである。
10.「驚きのある意思決定」というのは、狭い意識から自由になった視野の意思決定や、時間的な展開の読みが深くダイナミックな社会システムの
変化をとらえた意思決定のことを指す。いわば空間的な大局観という二つの特性を小倉昌男の思考に見出すことができる。
11.顧客へのメッセージは、顧客が社員に向ける期待のまなざしを創り出し、その期待のまなざしが社員の行動を律する重要な道具になることを
小倉は理解していたのである。
12.いい循環にしろ悪い循環にしろ、それは人間が起こしていることだ。人間が起こしていることである以上、それを変えられるかどうかも
人間しだいである。
13.小倉によれば、戦術は短期のものであり、日々の競争にどのように勝つかということを指す。これに対して、長期の視野に立ったものが
小倉にとって戦略である。戦略とは長期のダイナミクスを読み込んだシナリオである。
14.短期の問題状況を理解するだけではなく、その背後に存在するメカニズムを解明し、その時間軸に沿った動き方を読み解いて、
長期の良循環を回すことを優先した一手を打っていくことが経営者の役割だというのである。
15.組織メンバーがただ言われたことを実行してだけではなく、「同じ絶対目標を持ち、確信を以って行動する」のであれば、
「経営理念のある会社」になる。目標が共有され、確信を持って行動できるのは、おそらく、各人が自分の頭で考えて、
自分たちの組織が正しい方向に進んでいると納得していることである。
16.バランスを取らずに、良循環の基点になるものにアンバランスに重点化することで、長期的に見るとトレードオフは解消され、
当初二律背反に見えた両方が実現できる。
17.経営とは、生身の人間とつきあう仕事。
18.現場の第一線の社員たちがイニシアティブを発揮して情報収集し、思考・行動していることが重要である。
19.小倉は人間の金銭的欲求や経済的なインセンティブの反応を否定しない。「金のために働かない馬鹿はいない。
しかし、金のためだけに働く馬鹿もいない」という考え方を取っている。
20.特に小倉が重要だと考えていたインセンティブは、(1)目に見える目標達成と(2)社会に役立っているという感覚の二つである。
21.何よりも重要なのは顧客からの「ありがとう」という感謝の言葉である。宅急便は、いったん素晴らしいサービスを
提供できる基盤が形成されると、セールスドライバーが自律的に行動していても、顧客が動機づけてくれる構造になっているのである。
22.信じつつ、疑い続けるという姿勢は常に実行と思考を要求する。自分自身の信念をも疑い、自分の過ちを正していくのであれば、
精神的に多大なエネルギーを必要とする生き方だったように思われる。
23.「変えるべきものと、変えるべからざるもの」
24.人事制度は、人柄を中心にした360度評価であった。「お客様から信頼されているか」「仲間を助けることを意識しているか」と
いうような人柄に関連している項目について、上司・同僚・部下が評価を行う、という制度が作られていったのである。