社長ブログ President Blog

雇用

妻が美容室に行ったため、息子の面倒を見ながら過ごしました。いつものように息子を三輪車に
乗せて自宅近所を散歩し、若干方向を変えて中野坂上方面まで足を伸ばしました。
途中東中野図書館に立ち寄りました。この図書館は蔵書数も多く、子供向けの絵本も充実しています。
また、子供向けの絵本のコーナーは靴を脱いで座り込んで本を読むことが出来ます。
息子は好きな魚関係の絵本を探し、比較的おとなしくしていました。
家に戻るとネットで仕事関係の調べ物をしたり、読書と穏やかに一日が過ぎました。

ここ数ヶ月雇用調整が社会的な問題になっています。マスコミ報道はかなり情緒的になっていると
感じます。局所的な問題と本質的な問題を切り分けて考える必要があります。

1.現在行われていること(局所的な問題)
非正規社員(一般派遣及び期間工)は、一言で言うと「雇用の調整弁」です。だから企業が
業績が悪くなったら契約を更新しないことは当たり前です。ここでやってはいけないことは、
期間満了前の契約打ち切りです。あえて企業名を出しませんが、有力企業が期間満了前に一方的に
契約を打ち切っているケースが多々あります。こういった場合は、糾弾されてしかるべきです。
期間満了で契約を更新しないことを理由に、マスコミが企業を叩くことは明らかにおかしいです。
大手新聞、テレビもその違いを正確に伝えることなく感情的に不正確な情報を流しています。

2.非正規社員と正社員の格差問題(本質的な問題)
この格差問題は今後解決しなければならない問題です。非正規社員で単純労働に従事している人は
何年その仕事をしても社会人としてのスキルとしてみなされません。ですから年収は何年たっても
200万円未満です。非正規社員、正社員とも同じ労働者であることには変わりありません。
本来このような場合、労働組合の親玉である連合が動くべきなのですが、連合自体が正社員の
代弁者としての機能しか果たそうとしていません。いわば日本最大の既得権益集団に
成り下がっているのです。労働者の代表というのなら、「現在の正社員の給料を一律20%カット
します。その20%で仕事からあぶれた非正規社員の方々を守りましょう。」と言うべきです。
まあこんなことは言わないでしょうが・・・

ここ数年日本企業は非正規社員を利用して莫大な収益を上げていました。事業計画上、労務コストの
調整弁として非正規社員を当て込んでいるから、経済状況が悪化すると真っ先に非正規社員を
切るのです。企業の「現時点での論理」からすると非正規社員切りは間違っていないのですが、
非正規社員と正社員の格差問題を解決しなければ日本社会に閉塞感が鬱積します。格差問題は
日本の社会構造の根本的な問題のため、一個人、一企業の努力では解決できません。政府が
リーダーシップをとってワークシェアリングを考えるべきです。その際に現在既得権益を
受けている人たちが痛みを受けても致し方ないでしょう。