社長ブログ President Blog

遺書

危機の外交 岡本行夫著 読了

2年前に新型コロナで急逝した
岡本行夫氏の自伝且つ遺書のような形で
出版されました。

著者は外交官、政府の要職において
日本の安全保障政策に一貫して
関わってきました。

非常にデリケートな問題に対して
真正面から取り組み、彼なりの判断、
決断、そして苦悩が伺い知れます。

安全保障政策ですから、日本のみならず
世界中の重要人物が随所に登場し、
彼ら、彼女たちの行動を忖度なしに
表現しています。

また著者の家族、著書自身の背景が
前半に記述されており、
人に対する優しさ、誠実さが、
著者の行動の基盤となっていることも
理解できます。

著者は「我々の前には新しい世界が
広がりつつあります。どのような
世界か?単純化して申し上げれば、
新しい帝国主義と漂流の時代では
ないでしょうか(2017年)」と
現在の国政情勢を看過しています。

人間と日本をこよなく愛した著者の
死は残念でなりません。そして著者の
考えを理解し、現実にすることは
残された者の責務とも考えます。