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角栄

田中角栄 – 戦後日本の悲しき自画像 早野透著 読了

・・・田中角栄は、日本の近代の泥濘のなかから這い上がった。敗戦の焼け跡闇市の時代を類いまれな才覚で、
時に悪知恵を働かせて切り抜けた。政治権力の階段を上った。角栄の「利益還元政治」は、見方を変えれば「社会民主主義」だった。
それを新潟三区の選挙民は支持した。角栄は民衆のなかにいた。人々への気配り心配りを備えていた。政治の世界では、
それを端的にカネという形で表現した。そして転落した。
 角栄の荒ぶる魂は、それを受け入れることができず、さらに権力に固執した。次第に狂気を帯びる。そして角栄は突然、
脳に損傷をきたした。・・・ 本書引用

著者は角栄氏の番記者であり、丹念な取材をもとに本書を記述しています。角栄氏を通してみた、日本の戦後復興、高度経済成長、日本政治の
歴史ともいえるでしょう。裸一貫からの立身出世、角栄氏の人間力には魅力を感じますが、カネ、利権を利用したことは明らかです。
今の時代、角栄氏が現役の政治家だったらどのような行動をとるのか非常に興味があります。