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資本主義

資本主義の極意 明治維新から世界恐慌へ 佐藤優著 読了

本書のポイント(引用)
・資本主義の内在的論理を理解することができれば、少なくとも資本主義の暴走に振り回されることはなくなります。
・近代経済学には、一般化したモデルだけがあり、「歴史」という発想はありません。
・マルクス主義経済学が、資本主義を打倒して、共産主義革命を起こすことを目的に組み立てられた経済学であるのに対して、
マルクス経済学は資本主義の内在的論理を解き明かす経済学です。
・宇野は近代経済学のように、いきなり現実の経済現象を分析することは、方法論的に誤っていると考え、
「原理論」、「段階論」、「現状分析」という三つのステップから、資本主義社会を分析する方法を提唱しました。
・資本主義とつきあうことと、資本の論理に絡め取られることは違います。
・その時が来るまで、私たちは高望みせず、しかしけっしてあきらめない。そして、その時が到来したときこそ、
私たちは資本主義を超えた、良い社会をつくらなければならないのです。

本書は資本主義の限界をマルクス経済学の泰斗である宇野弘蔵氏の理論と近代日本経済史を対比させながら分析しています。
私自身、これまで近代経済学の視点から物事を理解しようとしていたため、宇野氏の理論は非常に新鮮に感じました。
日々のビジネスはまさに資本主義の弱肉強食の中で行われていますが、利益追求一辺倒ではなく、当社に関わる人全てに対して
幅のある対応を心がけたいと考えています。