社長ブログ President Blog

デジタル・デモクラシーの社会へ

午後の飛行機で香港を立ちました。

広州、深セン、珠海、香港を駆け足で巡って感じたことを以下に記します。

1.欲
中国国内で経済発展が進んでいると言われている広州、深セン、珠海は、どの街も活気にあふれ、
とても豊かな街だと感じました。

中国は未だに社会主義を標榜している国ですが、中国を社会主義の国と言えるのでしょうか?
産官学が一体となり、企業、経済を育てることを広義の意味で計画経済と言えば、それは社会主義ですが
当然すべてが成功するわけではなく、失敗も多数あります。このような動きに適応できない人もいるわけで
広州の片隅では物乞いも見かけました。

社会システムの問題ではなく、結局のところ人間の根底に流れる、「欲」がエネルギーとなって世の中を
動かしていると私は考えます。豊かになりたい、金もうけをしたい、結局のところ人間臭い「欲」に行くつくのでしょう。

2.一歩先
・電子決済の浸透
・バス、タクシーへ電気自動車の浸透

中国において、この2つの浸透の徹底ぶりは著しいです。例えばコンビニでクレジットカードは利用できず
現金は利用できるのですが、現金を利用して買い物をする人は殆どいません。
つまりスマホでの電子決済ができないことには、日常生活が成立しないのです。
また日本では珍しい電気自動車がバス、タクシーとして当たり前に運行しています。

中国では現金から一足飛びに電子決済、ガソリン自動車の普及の前にいきなり電気自動車の普及と
既に先進国にあるものに追いつくのではなく、その先を目標に動いているという点では
この2点に共通点があります。

3.職住接近
訪問した各街では、働く場所と住む場所が隣接しており、乱立する高層オフィスビルの横に
同様に高層マンションも乱立しています。中国にはベットタウンと言う概念は存在しないようです。

4.最後に
中国本土では広州、深セン、珠海の3つの街しか訪問していませんが
そこの地下鉄や高速鉄道の社会インフラ、高層ビル、商業施設等は先進国と変わらない、
日本よりも優れているものも多くあることを見てきました。住む人たちは
非常にエネルギッシュで向上心が高いですが、中国政府に対する遠慮を常に感じざるを得ませんでした。
中国本土に接する香港に移動するとそれをより感じました。香港では一般の人が気兼ねなく
思うことを話しています。

電子決済をはじめとするデジタルデータを中国政府を管理することにより
国民の正確な情報を把握することができ、中国政府念願の計画経済を正確に行うことができます。
このような状況を昨年あたりからデジタル・レーニン主義と言われています。
ただあらゆる行動が政府から管理される息苦しさを感じざるを得ません。
同行した鈴木教授が提唱している、デジタル・デモクラシーの社会の方が
私にとって息苦しくもなく、過ごしやすい社会です。自分の子、孫の世代の為にも
デジタル・デモクラシーを実現すべく、微力ながらも貢献したいと考えます。